「外厩」で見る日本ダービーの歴史 〜2022年Ver.〜

皐月賞が終わり皆が目指す先はダービー

ダービーまでに各馬がどう過ごすか、ちょっと気が早いですがダービーの外厩の話をさせてほしい。

昨年も書きましたが、今年も書きます。

kanomisaku.hatenablog.com

去年のブログと被ってしまう部分もありますが、日本ダービーの過去の歴史を外厩で見てみましょう。

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2011年 オルフェーヴル

ステイゴールド産駒

シンザン記念きさらぎ賞スプリングS

スプリングSから在厩調整で皐月賞・ダービーを制覇

そして、3冠を達成して古馬になってからもGIを勝ちました。

規格外。ただの化け物です。

ここまで使って、ここまで走った。というタイプでは最後の馬かも知れません。

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2012年 ディープブリランテ

ディープインパクト産駒、初のダービー馬

外厩 ノーザンFしがらき

皐月賞3着から巻き返してのダービー制覇でした。

ダービーの後は、キングジョージ6世&QESに出走しますが、敗退。そして屈腱炎で引退。

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2013年 キズナ

ディープインパクト産駒

弥生賞5着の後は、毎日杯京都新聞杯と裏街道。
ダービーを勝つまで外厩には出さず在厩調整でダービーを制覇。

ダービーの後は凱旋門賞へ。
ニエル賞、そして翌年の春の大阪杯と2勝しましたが、古馬になってからは骨折2回と、GIを1つも勝てずに引退。

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2014年 ワンアンドオンリー

ハーツクライ産駒

デビューからダービーまでずっと在厩調整でダービーを制覇。

次走の神戸新聞杯を勝って、以降は勝ち鞍は無し。
馬券圏内もドバイの3着のみ。

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2015年 ドゥラメンテ

キングカメハメハ産駒

ここからノーザンF無双が始まります。
ノーザン外厩、ディープ・キンカメ、「天栄・しがらき」
ダービー勝つにはこれらが必須になる時代。

セントポーリア賞→共同通信杯皐月賞→ダービー

皐月賞を圧勝して、ダービーまで在厩調整

そして皐月賞・ダービーの2冠達成

しかし、ダービーの後は骨折をしてしまい、翌年の中山記念まで休養そこで勝利。
ドバイも宝塚記念も結局勝てず、この馬も古馬になってから1度もGIを勝てずに引退

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2016年 マカヒキ

ディープインパクト産駒

若駒S弥生賞皐月賞→ダービー

弥生賞後から在厩調整で皐月賞を2着

そしてダービーも在厩調整でダービー制覇。

この馬も、キズナと同じくニエル賞まで勝てましたが、その後は長いスランプとなり8歳になってやっと復活をしました。

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2017年 レイデオロ

キングカメハメハ産駒

ホープフルS皐月賞→ダービー

年明け初戦が皐月賞。前哨戦なんて必要ない。

をクラシックで成し遂げた天栄馬。

皐月賞5着後に天栄へ戻し、外厩調整でダービーを制覇。

これが、今の省エネローテの手本となった馬です。

この省エネローテなら古馬になってからも活躍できます。

実際に、古馬になってGIを勝ったダービー馬はオルフェーヴル以降レイデオロまでいませんでした。

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2018年 ワグネリアン

ディープインパクト産駒

弥生賞皐月賞→ダービー

マカヒキと同じく皐月賞・ダービーで外厩を使わない在厩調整

マカヒキと同じく古馬になってから1度も勝てずに終了。

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2019年 ロジャーバローズ

ディープインパクト産駒

京都新聞杯→ダービー

皐月賞をパスして別路線

京都新聞杯の後は厩舎に置いて、ダービーは在厩調整。

ノーザンF生産ではありませんが、外厩はしがらきでした。

この馬もダービーの後、1戦も走らず骨折で引退。

この年の1番人気のサートゥルナーリアはレイデオロと同じパターンで2冠を目指しました。

レイデオロは直行ローテの皐月賞を敗戦してダービー制覇。

サートゥルナーリアは直行ローテの皐月賞を勝ってダービーで敗戦。

このパターンで2冠を獲るのはまだ厳しいのかもと思ってました。しかし、翌年に化け物が誕生します。

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2020年 コントレイル

ディープインパクト産駒

直行ローテで皐月賞を勝ち、ダービーも外厩調整で勝利 そして3冠達成

そう。天下のノーザンFが成し遂げたかった。

外厩を駆使した省エネローテで皐月賞・ダービーを制覇をする。

という目標を先にノースヒルズのコントレイルが実現させてしまいました。

これを実現させたコントレイルは凄いのですが、この年のノーザンFは、サリオス以外大コケの年でした。

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2021年 シャフリヤール

ディープインパクト産駒

毎日杯→ダービー

過去の歴史を見るように、皐月賞→ダービー

だと馬が壊れてしまう。だったら皐月賞なんて捨てましょう。別のローテからしっかり間隔をあけてダービーを勝つ。

これを達成したダービー馬。この馬は古馬になってからもドバイでGIを勝てました。

 

これらの歴史を踏まえて

・ダービーを勝つには3つのパターンがあります。

1.「在厩調整」

過去の該当馬 ワンアンドオンリードゥラメンテマカヒキワグネリアン

皐月賞・ダービーまでの期間で外厩を使わずに在厩調整。

ダービーを勝つため!ダービーを本気で勝つんだ!!厩舎に置いて、追い切りも強目にやって、鍛えて鍛えてダービーに臨む。

昔からの王道パターンですが、これを行うことによって馬が終わります。


2.「外厩」を駆使した省エネローテ

過去の該当馬 レイデオロ・コントレイル

1のパターンだとダービーを勝ったとしても反動が大きい。

だからこそ、間隔をあけて皐月賞、そしてダービーも外厩調整

とにかくレースが終わったらすぐに外厩に戻す。

「素質を疲労で妨げない」を徹底する。

こうすることによって、ダービーで競走馬人生が終わることなく古馬になっても活躍できます。

ノーザンファームが考えた究極のローテーションです。


3.皐月賞を捨てる「別路線組」

過去の該当馬 キズナ・ロジャーバローズ・シャフリヤール

ダービーを本気で勝つためなら皐月賞を捨てる。

皐月賞とダービーは中5週ですが、関西馬は輸送があります。2走連続の輸送+GIの連戦

だから皐月賞を捨てて別路線でダービーに挑む。

別路線なので相手も軽い。ダービーまで疲労を最低限に抑えることができます。

しかし、別路線で勝ったキズナもロジャーバローズも京都新聞杯から中2週で在厩調整でのダービー制覇でした。これだと1のパターンと同じく馬が終了します。

だからこそ、

皐月賞を使わず外厩を駆使してダービーを勝つ

これを実現させたのが昨年のシャフリヤールです。

時代は変わりました

1のパターンの時代は終わったんです。2.3のパターンで、外厩を使って省エネローテで、ダービーを勝てる時代になったんです。

 

では、今年の皐月賞を振り返りましょう。

皐月賞を勝ったのはジオグリフ。2着 イクイノックス。

この2頭は天栄馬でノーザンF天栄の馬です。そして木村哲也厩舎。

確実にダービーまでの1ヶ月で1度天栄に戻すでしょう。

ジオグリフは共同通信杯皐月賞という去年のエフフォーリアと同じ。

イクイノックスは東スポ杯→皐月賞という異例のローテで明らかにダービーを見据えたローテ。

皐月賞までしっかり間隔をあけてるし、ダービーも外厩調整。これは2のパターンで良い傾向。

3着 ドウデュース

弥生賞を使って皐月賞まで在厩調整。友道厩舎のことですからダービーも在厩で調整されるはず。

マカヒキワグネリアンもこのパターンでした。

そう。1のパターンは時代遅れなのよ。

4着 ダノンベルーガ

共同通信杯を勝った時点で皐月賞への出否は未定。ダービー直行の話題まで出ていました。

共同通信杯から在厩で皐月賞へ出走した点と堀厩舎なのでダービーまでの期間も在厩で調整するはず。ドゥラメンテ、サリオスも在厩でした。

こちらもイクイノックス同様にダービーを見据えたローテ。しかし、イクイノックスと違う点は、共同通信杯の時点で在厩調整だったということ。そう。1のパターンです。このパターンは時代遅れ。

2.3のパターンで、ダービーを見据えていて2着に来たイクイノックスが1番ダービー馬に近い存在ではあります。

しかし、お気づきの方もいると思いますが、、

ダービーって結局さ

ディープインパクトなのよ。

ディープが最強なのよ。。

エフフォーリアも、ディープインパクト産駒のシャフリヤールに負けた。先程あげた3頭はディープインパクト産駒ではありません。そして、皐月賞馬のジオグリフもそう。

先程あげた2.3のパターンに該当していて、ディープインパクト産駒ってなると、、

 

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キラーアビリティ

なんですよ。これ、、、

ホープフルSから直行ローテで皐月賞 そしてダービーへ

まぁダービーまでに新しい怪物が出てくる可能性もあるし、それに、1のパターンでまたダービーを勝つ馬が出るかもしれませんけど。

皐月賞をボロ負けして、人気落としてダービー勝つやつ死ぬほど見てきた。

私は

キラーアビリティ

だと思う。

では、1ヶ月後のダービーでお会いしましょう。