「外厩」で見る日本ダービーの歴史

オークスが終わり、ダービーウィークの始まりです。

まだオークスが終わったばかりですが、もうダービーは始まってます。

ダービーはオークスが終わってから目黒記念が終わるまでがダービーです。

 

というのは置いといて

 

ダービーの外厩に関して、話したいことがたくさんあり、ブログ1つじゃ収まりきらないのでダービーのブログは2部構成でお届けします。

 

今回はもう外厩のみのお話。

 

過去のダービーを外厩で見てみましょう。

 

2011年 オルフェーヴル

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ステイゴールド産駒

デビューして2歳時の外厩は「グリーンウッド」

デビュー戦は勝てましたが、芙蓉S京王杯2歳Sと敗戦。

しかし、オルフェーヴルにとって転機が訪れます。

それが

2010年秋「ノーザンFしがらき」の開場でした。

「グリーンウッド」からノーザンファーム関係馬・スタッフが移動し、翌年のシンザン記念からは「しがらき」に変更。

変更した途端、馬が変わりましたよね。

シンザン記念きさらぎ賞スプリングS

スプリングSから在厩調整皐月賞・ダービーを制覇

そして、3冠を達成して古馬になってからもGIを勝ちました。

規格外。ただの化け物です。

ここまで使って、ここまで走った。というタイプでは最後の馬かも知れません。

 

2012年 ディープブリランテ

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ディープインパクト産駒、初のダービー馬

パカパカファーム生産でも、サンデーレーシングで募集され、外厩ノーザンFしがらき

皐月賞3着から巻き返してのダービー制覇でした。

ダービーの後は、キングジョージ6世&QESに出走しますが、敗退。そして屈腱炎で引退。

 

2013年 キズナ

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ディープインパクト産駒

弥生賞5着の後は、毎日杯京都新聞杯と裏街道。
ダービーを勝つまで外厩には出さず在厩調整でダービーを制覇。

ダービーの後は凱旋門賞へ。
ニエル賞、そして翌年の春の大阪杯と2勝しましたが、古馬になってからは骨折2回と、GIを1つも勝てずに引退。

 

2014年 ワンアンドオンリー

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ハーツクライ産駒

デビューからダービーまでずっと厩舎に置いたままの在厩調整でダービーを制覇。

次走の神戸新聞杯を勝って、以降は勝ち鞍は無し。
馬券圏内もドバイの3着のみ。


2015年 ドゥラメンテ

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キングカメハメハ産駒

ここからノーザンF無双が始まります。
ノーザン外厩、ディープ・キンカメ、「天栄・しがらき」
ダービー勝つにはこれらが必須になる時代。

セントポーリア賞→共同通信杯皐月賞→ダービー

このローテを踏めば皐月賞外厩を使えるローテ

弥生賞だと間隔が短くて外厩が使えない。

皐月賞の王道ローテが共同通信杯や直行ローテになったのも納得ですよね。

皐月賞を圧勝して、ダービーまで在厩調整

そして皐月賞・ダービーの2冠達成

しかし、ダービーの後は骨折をしてしまい、翌年の中山記念まで休養そこで勝利。
ドバイも宝塚記念も結局勝てず、この馬も古馬になってから1度もGIを勝てずに引退


2016年 マカヒキ

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ディープインパクト産駒

若駒S弥生賞皐月賞→ダービー

弥生賞後から外厩に戻さず在厩調整

皐月賞で2着

そしてダービーも在厩調整でダービー制覇。

この馬も、キズナと同じくニエル賞まで勝てましたが、その後は1度も勝てず、現在でも連敗記録が続いています。


2017年 レイデオロ

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キングカメハメハ産駒

ホープフルS皐月賞→ダービー

年明け初戦が皐月賞

前哨戦なんて必要ない

をクラシックで成し遂げた天栄馬。

皐月賞5着後に天栄へ戻し、外厩調整でダービーを制覇。

これが、今の省エネローテの手本となった馬です。

この省エネローテなら古馬になってからも活躍できます。

実際に、古馬になってGIを勝ったダービー馬はオルフェーヴル以降レイデオロまでいませんでした。

 

2018年 ワグネリアン

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ディープインパクト産駒

弥生賞皐月賞→ダービー

マカヒキと同じく皐月賞・ダービーで外厩を使わない在厩調整

マカヒキと同じく古馬になってから1度も勝てずに終了。


2019年 ロジャーバローズ

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ディープインパクト産駒

京都新聞杯→ダービー

皐月賞をパスして別路線

京都新聞杯の後は厩舎に置いて、ダービーは在厩調整

ノーザンF生産ではありませんが、外厩はしがらきでした。

この馬もダービーの後、1戦も走らず骨折で引退。

この年の1番人気のサートゥルナーリアはレイデオロと同じパターンで2冠を目指しました。

レイデオロは直行ローテの皐月賞を敗戦してダービー制覇

サートゥルナーリアは直行ローテの皐月賞を勝ってダービーで敗戦。

このパターンで2冠を獲るのはまだ厳しいのかもと思ってました。しかし、翌年に化け物が誕生します。

 

2020年 コントレイル

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ディープインパクト産駒

直行ローテで皐月賞を勝ち、ダービーも外厩調整で勝利 そして3冠達成

そう。天下のノーザンFが成し遂げたかった

外厩を駆使した省エネローテで皐月賞・ダービーを制覇をする。

という目標を先にノースヒルズのコントレイルが実現させてしまいました。

これを実現させたコントレイルは凄いのですが、昨年のノーザンFは、サリオス以外大コケの年でした。

3歳のジャパンカップでアーモンドアイに敗れて3着・年明け初戦の大阪杯も3着と古馬混合のGIレースでは勝てない状況が続いてます。

正直言うと世代レベルに恵まれたかなって思っちゃいますよね。

 

これらの歴史を踏まえて

・ダービーを勝つには3つのパターンがあります。

1.「在厩調整」

過去の該当馬 ワンアンドオンリードゥラメンテマカヒキワグネリアン

皐月賞・ダービーまでの期間で外厩を使わずに在厩調整。

ダービーを勝つため!ダービーを本気で勝つんだ!!厩舎に置いて、追い切りも強目にやって、鍛えて鍛えてダービーに臨む。

昔からの王道パターンですが、これを行うことによって馬が終わります。


2.「外厩」を駆使した省エネローテ

過去の該当馬 レイデオロ・コントレイル

1のパターンだとダービーを勝ったとしても反動が大きい。

だからこそ、間隔をあけて皐月賞、そしてダービーも外厩調整

とにかくレースが終わったらすぐに外厩に戻す。

「素質を疲労で妨げない」を徹底する。

こうすることによって、ダービーで競走馬人生が終わることなく古馬になっても活躍できます。

ノーザンファームが考えた究極のローテーションです。


3.皐月賞を捨てる「別路線組」

過去の該当馬 キズナ・ロジャーバローズ

ダービーを本気で勝つためなら皐月賞を捨てる。

皐月賞とダービーは中5週ですが、関西馬は輸送があります。2走連続の輸送+GIの連戦

だから皐月賞を捨てて別路線でダービーに挑む。

別路線なので相手も軽い。ダービーまで疲労を最低限に抑えることができます。

しかし、別路線で勝ったキズナもロジャーバローズも京都新聞杯から中2週で在厩調整でのダービー制覇でした。

これだと1のパターンと同じく馬が終了します。

今、ノーザンFが試してることは、

皐月賞を使わず外厩を駆使してダービーを勝つ方法。

これを探してる段階です。

2017年

サトノアーサー ノーザンFしがらき 前走 毎日杯

2018年

ブラストワンピース ノーザンF天栄 前走 毎日杯

2020年

ワーケア ノーザンF天栄 前走 弥生賞

アルジャンナ ノーザンFしがらき 前走 毎日杯

 

まだ勝ち馬は1頭も出ておりませんが、天栄・しがらき共に、皐月賞を使わずダービーを制覇する方法を模索している段階。

今年も皐月賞を使わなかった別路線組として、天栄からグレートマジシャン しがらきからシャフリヤールと揃えてきてます。

 

今年のダービーはどのパターンからダービー馬が生まれるのか?

そして、私はどの馬を本命にして、どの馬を信じるのか。

 

東京優駿日本ダービーまであと6日